フランスのクリスマス

家族でのおうちディナー。36人のビッグパーティ。

12月24日、クリスマスイヴ。フランスでは、家族で、家でディナーするのが一般的です。

日本の、カップルのための、商用色の強いクリスマスと違い、こちらでは外にあまり出歩かず、家族で過ごします。

私の夫の実家は、家族の人数が多い。家族でこじんまり、の雰囲気ではありません。なんと36人。

夫は父方がフランスの家系、母方がイタリアの家系。イタリア人は、家族に重きを置く風習があるようで、家族の集まりがクリスマスの毎年の大イベントとなっているようです。

夫の母親の兄弟は6人、それぞれの奥さんが6人、これだけで12人、そしてそれぞれの夫婦には2〜3人ずつ子どもがいますから、さらに増え、その子どもが結婚して家庭を持っていれば、さらに奥さんや子どももおり、そして時には奥さんの連れ子などいますので、まさに”家族だけ”なのですが、36人です。

食前酒をキッチンで。ところ狭し!満員電車並みの人口密度

まずフランス式の家パーティでは、食事の前に台所でアペリティフを飲みます。食前酒とツマミで、着席せずに、いろんな人に挨拶したり、おしゃべりしながら全員が揃うのを待ちます。

一昨日のクリスマスイヴのパーティでも、36人全員ではないですが、たくさんの人がキッチンに入り、片手にグラスのままおしゃべり。廊下でも、人がたくさん。ふぅー。満員電車かと思いましたよ。

この日のつまみは、ピーナッツやポテトチップスなど、本当に簡単なものでしたが、時にはこの食前のつまみが、それだけでお腹いっぱいになるほどのボリューム感やバリエーションがあったりします。

いよいよ食事スタート。こちらはおきまりのクリスマスメニュー

いよいよ着席して、ディナーが始まります。そもそも36人が着席できるだけのスペースが家の中にあるだけで、すごいです・・・。

縦に長ーいテーブルに、全員座ります。

まるで、キリストの宗教画の「最後の晩餐」。

これだけ人がいると、どうやら不仲な親戚同士もいるようで、この席順は、みんなが空気を読んで決められます。

さて、肝心のメニューですが、クリスマスのメニューというのは、日本のお正月の食事と同じく、必ず食べるもの、というのが毎年あります。以下は、この家庭の定番メニューみたいなので、フランスの定番かどうかはわかりません。

  1. サーモンのマリネ

分厚いサーモンです。刺身とはなんだか少し違います。酢飯には合わなそうです。当たり前ですが醤油などつけずに食べますから、これ自体に味がついています。

2. フォアグラ

これは1番のお決まりメニュー。クリスマスといえば、フォアグラ。このフォアグラは、いつもとても美味しい。全然臭みがありません。普段日本ではなかなか食べないので、ついおかわりしそうになりますが、後に続々とメニューが出てくるはずなので、1枚でやめておいた方が良さそうです。

3. 魚のパテ

こちらホタテが入っているようで、少しクリーミーでグラタンのような味。

  4. オリーブのパン

こちら、パンのはずですが、結構ずっしりしています。あら、パン好きだから一個食べちゃおう〜なんて気軽に一つ丸々手に取ると、食べきれなくて後で後悔します。

オリーブと、あと何か他にも入っていたような気がしますが、とにかく一つのボリュームがすごいので、香ばしそうな見た目に騙されないように、誰かと半分にするか、来年からはこちらを食べないようにしようと思います。

味は、説明しずらいです。一言で言うと、おかずパンです。(当たり前か)

 4. ジャガイモのグラタン

フランスでは、米を食べる習慣はありません。(地方によるかもしれません)ジャガイモは、炭水化物に分類されるようです。

この辺から、記憶が曖昧です。食べたものの順番をあまり覚えておりませんが、ジャガイモのグラタンは定番のようで、いつも食べます。

 6. 肉

子牛の肉や鶏肉などが定番です。ジューシーな肉汁つき。

実を言うと、こちら今年は食べておりません。

子ども(1歳)の世話で席を外しているうちに、幸運にもジャガイモのグラタンと肉が終わっていました。幸運にも、と言ったのは、もうすでにお腹いっぱいだったからです。

クリスマスディナーは、とにかくメニューが多いんです。フォアグラはバゲットと一緒に食べますから、これでお腹も少し膨れてしまいます。

ここから更に、ジャガイモ、肉、と言った、スーパーボリューミーなメニューをたやすく食しているフランス人の胃袋、さすがです。

さて、ここまでがメインのメニューでしょう。

次は、定番のチーズから、デザートです。

デザートが1種類ではない、さすが甘いもの好きのフランス人

食後は、必ずフロマージュ、チーズの出番です。

 7. フロマージュとバゲット

チーズは、日本人の口にも馴染んでいるカマンベールのような優しい味から、ヤギのチーズやブルーチーズのような癖のある味まで、バリエーションがあり、何種類かの中から、自分が食べたいものを切り分けて、食べます。

チーズは当然、バゲットと一緒に食べます。

どの家庭にお呼ばれしても、メイン料理とデザートの間は必ずチーズです。

チーズはお腹が膨れますから、お腹いっぱいの時はなんとなく食べたくないですが、フランス人はこのチーズが出てくることが習慣になっていますので、まるでチーズのためのスペースを胃袋にとっておいてあったかのように、必ずみんなチーズを食べます。

最初、このフランスの大いなる食習慣であるチーズを断るのは失礼なのでは?と思い頑張って食べておりましたら、どうやらチーズを断っても失礼には当たらないようです。

 8. ティラミス

自家製のティラミスでした。でっかいパッドいっぱいにティラミスを作るのって、なんだかすごいです。こんなに大量のティラミスを家庭で消費する機会はなかなかないはずです。

9. アイス

なぜかデザートにアイスが必ず出ます。(この家系の習慣かもしれません。)

お腹いっぱいだけど、アイスならお腹に入る私です。

10. プチカフェ

この時点で夜の10時は過ぎておりますが、消化のためにプチカフェが欲しくなります。

フランスのコーヒーと、イタリアのコーヒーは微妙に味が違うような気がします。イタリアンコーヒーは、少し香ばしさがあります。

コメント